ワンダフルクラス利用規約
辻 真也弁護士がわかりやすく解説
ワンダフルクラス
ワンダフルワイフ株式会社
辻 真也
弁護士からの
気をつけよう!
2022/01/28 作成
辻 真也弁護士
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形式面として、作成途中であったり、修正中の誤りではないかと思われる箇所が散見される。
1箇所であれば単なるミスともいえるが、多数あり、契約内容に影響する他、事業者への印象も良くはない。
内容面として、一部無効であることを承知の上で、事業者に有利な内容を規定する発想が見受けられる。
それ自体が不適当とまでは言わないし、本利用規約独自の問題でもない(他社にも類似のものがある)が、ユーザーフレンドリーではない。
1箇所であれば単なるミスともいえるが、多数あり、契約内容に影響する他、事業者への印象も良くはない。
内容面として、一部無効であることを承知の上で、事業者に有利な内容を規定する発想が見受けられる。
それ自体が不適当とまでは言わないし、本利用規約独自の問題でもない(他社にも類似のものがある)が、ユーザーフレンドリーではない。
利用規約:改定日不明、 プライバシーポリシー:2020/07/01改定版。
本レベルは上記サービス自体の評価ではありません。サービスの利用時に、特に知っていて頂きたいレベルを表したものです。
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「資格•講座」
項目1:権利関係
→次回講座では十分でない場合、積極的にキャンセルする必要がある
・講座で提供されたテキスト等の権利は事業者側に帰属。受講者による無断複製等禁止(11条1項)。
項目2:解除解約
・申込後、入金期日を過ぎた場合、自動的に次回の同様のコースに変更になり、申込者受講者は、次回のコースの入金期日までに料金を支払う(5条2項)
→自動的なキャンセルにはならない
・利用料金の支払いを遅滞した場合、年14.6%の遅延損害金が発生する(5条3項第2文)
→5条2項によると、料金遅滞の場合、次回コースの入金期日に弁済期が変更されるように読めるため、本項第2文が適用される場面がないように思える
仮に、当初の申し込みコースの入金期日の翌日から遅延損害金を発生させたい場合、5条2項を修正することが考えられる
・利用者は、規約違反により運営者に退会させられた場合であっても、返金請求できない(7条3項)
項目3:あなたの義務・責任
ただし、「本サービスの運営上、当社が不適当と判断すること」(22項目目)については、事業者の自由裁量ではないことを示す趣旨で、「合理的根拠に基づき」といった限定を設けた方が望ましい(モバゲー事件判決参照)
・受講者の利用の一時停止、登録削除(7条5項)
概ね一般的なものではあるが、事業者の判断によるとされている、規約違反(1項目目)、反社会的勢力(4項目目)、その他(5項目目)については、上記と同様、「合理的根拠に基づき」といった限定を設けた方が望ましい
項目4:事業者の義務・責任
仮に、「受講者は…いかなる場合も当社を免責する」という趣旨であれば、10条と重複するため不要であるし、「禁止事項」の条に規定する意味もない。
仮に、「受講者は、前項(注:禁止事項)に違反する行為に起因して…当社または第三者に損害が生じた場合、…当社を免責する」という趣旨だとすると、免責規定は「受講者に損害が生じた場合であっても、事業者を免責する」ものであり(例:8条4項なお書き)、事業者や第三者に損害が生じた場合に受講者が事業者を免責する意味はなく、不要。
・7条4項後段も、上記と同様、不要な記載に思える。
・免責事項(10条)では、一定事項に起因する受講者の損害について一切の免責を定めているが、次の各号は消費者契約法8条1項1号違反として無効とされる可能性が高いため、故意又は重過失による場合を除く、と修正することが望まれる。
5号(第三者による登録情報への不正アクセス)
8号(サービスに関連して受信したファイルによるウイルス感染)
13号(本サービスの利用に起因する一切の事由)
・処分規定(13条)として、利用規約違反全般(1項2項目目)、事業者の判断(1項4項目目)について、広く利用の一時停止、退会処分をすることができ(1項)、その場合、受講者に生じた一切の損害について事業者を免責し(1項第3文)、代金の返還もしない(2項)とされている。
→過度に広範であり、消費者契約法違反とされる可能性がある。
→「合理的な理由」がある場合に限定したり、事業者に故意又は重過失がある場合を除くことが望ましい。
・サービスに関連して受講者が被った損害について、事業者は一切の責任を負わない(15条3項、26条)
→消費者契約法8条1項1号違反として、無効とされる可能性が非常に高い。
・消費者契約法違反等により一部無効となった場合に、他の規定は有効(17条2項)
・プライバシーポリシー上の「免責」
→柱書きと1項目目は作成途中のような体裁であり、文意が明確でない。
仮に、柱書きが事業者の責任を一切免責する趣旨であるとすると、消費者契約法違反として無効
項目5:その他 (プライバシー等)
・事業者は、受講者が提供した登録情報等を、個人を特定できない形で統計情報として公開したり(12条2項)、第三者に提供することがある(12条4項)
ただし、個人情報を「商品広告を提供する企業等」に情報提供することはある(プライバシーポリシー「個人情報の利用目的2項目目)
・裁判管轄は大阪(17条4項)
事業者の本店は東京だが、管轄を大阪としているのは意図的なものか。
誤り部分を含め内容がほぼ重複する同業他社の利用規約があるが、仮に他社のものをコピー&ペーストしたものだとすると、意図しない管轄になっている可能性がある
・事業者が規約を自由に変更できる(18条)
→よくある規定だが、民法548条の4第1項との関係は要検討。
この投稿は、2022年01月28日時点の情報です。
また、解説にない箇所が重要でない
ということではありません。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮して
ご活用いただくようお願いいたします。